
コストコの調剤薬局が安いって知り合いから聞いたけど本当?
どうせどこに行っても待つのは変わらないんだし、それなら1円でも安いところに持っていきたいなあ
よく噂を聞く、「コストコの調剤薬局は安い」説。
果たして本当なのか、ドラッグストア勤務薬剤師が解説します!
結論
同じ薬を貰う場合…
コストコより調剤技術料が安い薬局は少ない!=コストコが安い場合が多い!

以下の記事中で具体的な金額を計算してみます!
細かい数字の話になってしまうので、興味ないよーって人はまとめまで飛ばしてください。頑張って書いてしまったので、気になったら戻って読んでもらえたら嬉しいです!
*2025年2月現在の調剤報酬で計算しています
お薬代ってどうやって計算するの?
調剤技術料+薬学管理料+薬剤料で計算しています!
薬剤料は名前の通りお薬そのものの料金です。薬が一緒なら、薬局が違っても同じ料金です。
薬学管理料はお薬の服用の記録に係る点数です。今回のお話では違うのは「利用する薬局だけ」としているので、これも同じとさせてください。
そして調剤技術料は、調剤基本料+各種加算+薬剤調製料で構成されています。
この中の薬剤調製料も、薬が同じなら料金は同じです。
同じ薬をもらうなら、薬局によって違いが出るのは調剤基本料と各種加算!
では調剤基本料と加算を調べてみましょう!
こういった保健医療関連の取り仕切りをしているのは厚生局という組織です。
そして調剤基本料や加算は薬局の規模や頑張り具合によって取れるものが異なるので、厚生局に「うちの薬局はこの基本料を使うよ!」とか「条件満たしたからこの加算を取るね!」と届出をしています。
そのため厚生局の「施設基準の届け出受理状況」のページで、どの薬局がどういった届け出をしているか見られます(リンク先は関東信越厚生局の当該ページ)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html
PDFを開くと細かい文字がバーッと出てきて読む気が失せますが、なにやら(調基1)(調基3ハ)(薬連強)などよくわからない略語が並んでいます。この正体を追っていきましょう!
調剤基本料
千葉県のデータを見てみると、コストコは3店舗ありますがどれも(調基1)とだけ書かれています。
これは調剤基本料1の略称で、「基本」と付く通り薬局に処方箋が持ち込まれたらまず算定する料金です。
他の薬局を見てみると、同じように(調基1)の薬局もあれば(調基2)(調基3ハ)など数字違いの薬局もあります。
これは薬局の規模や立地で分けられていて、

同じビルに病院あるじゃん、その病院の処方せんがあつまるから儲けやすいでしょ?減額ね(調基2ニ)(調基3イ、ロ)

同じ建物に病院はないけど、君らのところ処方せん沢山なのに特定の病院からばっかり処方箋来てるじゃん。効率よく儲けているだろうから減額ね(調基2イ、ロ、ハ)(調基3イ、ロ)

上2つみたいなことはない?うーんでも君らのところ、処方せん枚数が多かったり全国に300店舗以上あったりするでしょ。会社が大きいってことは効率よく儲けているだろうから減額ね(調基3ハ)

上のどれにも当てはまらないか、めっちゃ病院が少ない地域で頑張っている薬局なら調剤基本料1取っていいよ!
というような感じで決められています。国は大手薬局やドラッグストアに当たりが強いです。
コストコは全国に300店舗もないですし、病院の前に構えていることもないので調剤基本料1というわけです。
調剤基本料の一覧は以下の通りです。
| 基本料 | 金額(3割負担) |
| 調剤基本料1 | 135円 |
| 調剤基本料2 | 87円 |
| 調剤基本料3イ | 72円 |
| 調剤基本料3ロ | 57円 |
| 調剤基本料3ハ | 105円 |

あれ?これだとコストコよりも病院前の大きな薬局に処方箋を持ち込んだ方が安いんじゃないか?

基本料だけみればそうですが、基本料が減額されている薬局は経営がかかっているので、全力で加算を取っています。
患者目線なら安いに越したことはありませんが、薬局も医療業とはいえ商売なので取れる加算はすべて取ります。今回はどれだけ安くなるの?というテーマなので加算を取ることが悪のように書いてしまっていますが、設備や体制を整えたり実績がないと加算は取れないので、加算をいっぱい取っている薬局は患者さんや地域のために頑張っている薬局でもあるということだけご承知おきください。
(それなのに届け出をしていないというのがコストコのすごいところですね。あくまでも処方箋調剤はお客さんを集める手段だと捉えているのではと思います。)
表を見ていくと色々加算がありますが、調剤技術料に係る加算は(地支体)(後発)(薬連強)(薬DX)ですので見ていきましょう!
各種加算の説明
(薬DX):医療DX推進体制整備加算 活用度合いによって、21円、12円、8円

マイナ保険証の活用体制や、電子処方せんの受け入れなど、デジタル技術を活用できる設備を備えた薬局が取れる加算です。
(薬連強):連携強化加算 15円

新型コロナウイルス感染症の流行を機に導入されました。災害や新興感染症の発生時に対応可能な体制を確保していることが条件です。
(後発):後発医薬品調剤体制加算 加算1:21円 加算2:28円 加算3:30円

ジェネリック医薬品で調剤している割合が80%以上で加算1、85%以上で加算2、90%以上で加算3です。ちなみに、自分が先発医薬品を貰うとしてもこの加算は外せません。(後発品を調剤する体制が備わっているという加算なので)
(地支体):地域支援体制加算 加算1:96円 加算2:120円 加算3:30円 加算4:96円

調剤基本料1を取っている薬局は加算1or2、それ以外は加算3or4を取ることができます。条件は長くなるので割愛しますが、加算4を取っている薬局は尊敬します…。結構厳しいんです。
なので、調剤基本料1の薬局は最大186円、それ以外の薬局は162円が基本料にプラスされます。
コストコと価格差は?
| 基本料だけの場合の コストコとの価格差 | 加算を全て取った場合のプラス額 | コストコとの価格差(最大) | |
| 調剤基本料1 | 0円 | +186円 | +186円 |
| 調剤基本料2 | -48円 | +162円 | +114円 |
| 調剤基本料3イ | -63円 | +162円 | +99円 |
| 調剤基本料3ロ | ‐78円 | +162円 | +84円 |
| 調剤基本料3ハ | -30円 | +162円 | +132円 |

実は最大でも200円ぐらいしか変わりません。目の前の薬局でもらってサッと帰るのも良い選択だと思います(病院に近い薬局ほど在庫が揃っている可能性大ですし)
ただし、コストコ以外は平日19時以降、土曜日13時以降に時間外加算120円がプラスされるので注意です!
お得かどうかはコストコとの距離次第ですね。しかも差額は全ての加算を最大限に取ってた場合なので、実際にはこれより差が少ない場合がほとんどでしょう。(後発3や地支体4は少し珍しいです)
しかし(しっかりとしたソースが見つけられなかったので要確認ですが)時間外加算を取っていないとなると、土曜日の午後や日曜日に買い物ついでに受け取りに行く分にはメリットが大きいと思います。
処方せんの事前送信サービスもあるので、行く前に送信しておけば待ち時間も少なくて済むでしょう。

私は運転苦手なので土日のコストコには近づけません…
まとめ
調剤基本料で話されてもイメージ湧かないなぁって人がほとんどだと思うので、具体例を出してまとめてみます!
①町中のクリニックを受診して、近くにある薬局(CMで名前を見たことがないくらいの規模)に持っていく場合→コストコより約200円高くなるかも
②総合病院を受診して病院の目の前の薬局にもっていく場合、医療モール内の病院を受診して建物内の薬局にもっていく場合→コストコよりも約100円高くなるかも
*実際はこの立地条件で高額の加算を取るのは難しいので、このパターンだけはコストコより安い可能性大です!
③病院の近くの薬局は混むから、いつも行くドラッグストア(近くに病院は見当たらない)に持っていく→コストコよりも約130円高くなるかも
→②はもしかするとコストコより安いけど、大体の場合でコストコが安い!

どうだったでしょうか?個人的には意外と差が少ないなと感じました。
しかしコストコの薬局で栄養剤のサンプルが貰えたという話も聞くので、家の近くにあるならば一度チャレンジしてみるのも良いですね!



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